高粘度材料の計量吐出が難しい理由と解決アプローチ

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はじめまして、都筑貴之と申します。
自動車部品メーカーで10年間、生産技術者として接着剤やシーラントの自動吐出ラインの設計・立ち上げを担当してきました。

独立してからは、中小製造業の設備選定を支援しています。
その中で繰り返し相談されるのが、高粘度材料の計量吐出がうまくいかないという悩みです。

吐出量がばらつく、糸を引く、気泡が抜けない。
どれも高粘度材料を扱う現場でよく聞く症状です。

難しさの正体と、現場で効く対策を、実務目線で整理していきます。

高粘度材料の計量吐出はなぜ難しいのか

高粘度の材料は、配管やノズルの中を素直に流れてくれません。
現場でよく出る症状は、だいたい決まっています。

  • 吐出量が回を追うごとにばらつく
  • 吐出後に糸を引いて液だれする
  • 配管内の圧力損失が大きく、狙った量が出ない
  • 気泡が混入し、吐出量や見た目が安定しない

これらは粘度が上がるほど顕著になります。
一般社団法人日本レオロジー学会が扱うレオロジー、つまり流動・変形特性の視点で見ると、高粘度材料の多くは「せん断速度によって粘度そのものが変わる」性質を持ちます。

同じ圧力で押し出しても、吐出のたびに粘度が微妙に違えば、出てくる量も揺れる。
これが吐出量ばらつきの根っこにあります。

装置選定で見るべきポイント

計量方式ごとの向き不向きを整理すると、次のようになります。

計量方式得意な粘度帯弱点
エア圧送式低〜中粘度高粘度では圧力損失が大きい
ピストン・プランジャ式中〜超高粘度装置コストがやや高い
スクリュー式中〜高粘度吐出の瞬発力に欠ける

高粘度材料で吐出量を安定させたいなら、圧力ではなく機械的な容積で計量する方式が現実的な選択肢です。
化学物質評価研究機構(CERI)のレオロジー・粘弾性の分析・評価ページでも、高分子材料の粘弾性を扱うには専用の計測技術が要ることが説明されています。

装置を選ぶ前に、自社材料の粘度特性を数値で押さえておく。
遠回りに見えて、これが結局いちばんの近道です。

現場で効く解決アプローチ

原因が分かれば、打ち手はシンプルです。

  • サックバック機能で吐出後の液だれを抑える
  • 配管を短く・太く設計して圧力損失を減らす
  • 高圧に耐えるポンプ構造を選ぶ

実際に現場で使われている装置の例を挙げます。
株式会社ナカリキッドコントロールの「P-FLOW H型」は、プランジャポンプ式を採用し、1〜1,050,000mPa・sという非常に広い粘度域に対応しています。

ポンプ内の耐圧を19.6MPaまで高めることで、高粘度樹脂の吐出に対応する設計です。
気になる方は高粘度対応ディスペンサーのP-FLOW H型製品ページを確認してみてください。

装置を入れ替えれば全てが解決するわけではありません。
それでも、対応粘度域を超えた設備を無理に使い続けている現場では、装置そのものの見直しが最短ルートになるケースが多いというのが実感です。

まとめ

高粘度材料の吐出が難しいのは、粘度そのものが条件によって変わりやすい性質を持つからです。
吐出量のばらつき、糸引き、気泡混入、圧力損失。

これらはバラバラの問題ではなく、根っこでつながっています。
まずは自社材料の粘度特性を数値で把握し、その上で計量方式を見直してみてください。

装置選定に迷ったときほど、カタログスペックより先に、現場で起きている症状の原因を切り分けることをおすすめします。

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